住民監査請求について

●高江米軍ヘリパット建設の経過と現状

沖縄島の北部にある東村高江は、沖縄島の水源70%程を担い、多くの固有種が生息する豊かな森(やんばるの森)に囲まれた人口約150人の集落です。1996年のSACO合意以降、集落の近くにオスプレイをはじめとした米軍用機が使用する6カ所の新しいヘリパッド建設が進められています。それに対し、高江住民は過去2回ヘリパッド建設の反対決議をし、ヘリパッドの使用方法などについても詳細説明を求めてきましたが、日本政府は十分な回答はおろか、SLAPP訴訟などで建設に反対する住民の声を潰そうとしてきました。しかし、高江住民をはじめ、多くの市民は10年近くも非暴力の座り込みによって基地建設に粘り強く反対してきました。

現在では、一部完成してしまったヘリパッドの先行供与が決まり、今年の6月中旬からオスプレイが昼夜を問わず高江居住区上空での低空飛行訓練を繰り返していると住民の方から報告されています。住民は子供への睡眠障害が発生しているとし、騒音データをもって東村役場に被害を訴えています。オスプレイによる騒音、低周波振動や高温の噴射熱、墜落の不安など、住民の生活、やんばるの森全体への影響は、計り知れないものがあります。

●高江への機動隊派遣

2016年7月11日工事が再開され、翌12日には米軍基地建設に伴う警備と称して、警視庁をはじめとした6都府県から機動隊500人以上が派遣され、19日以降は、現地に配備された機動隊による不当拘束や暴力的排除、生活道路や私有地の封鎖、不当逮捕や市民への暴力行為、恫喝、取材妨害などが連日のように報告されています。工事再開から9月20日まで確認された不当逮捕は5名以上。救急搬送を含めたケガ人は、地元紙に報道されただけで8名以上。それ以外にも多くの方が指の関節を曲げられたりするなど、怪我を負わされています。また、逮捕や強制排除の現場では、女性が男性機動隊員によって排除される際、通常セクハラと見なされるべき行為も横行するなど、決して許されないことも起きています。

9月に入り、高江住民は機動隊による県道の検問や封鎖の禁止を裁判所に訴えています。また、工事強行や機動隊の行為に対し、「人格権の侵害」として工事の差し止めを求める提訴と、同時に仮処分も行いました。

●東京都に対して機動隊の派遣中止を求める住民監査請求

この高江への警視庁の機動隊の派遣は、警察法60条による、沖縄県公安委員会から東京都公安委員会への援助要請に基づくものですが、派遣中の機動隊員の給与は東京都の予算から支出されています。

私たちは、私たちの税金が、高江で住民の意思を踏みにじり、オスプレイの基地を建設するための、違法な弾圧に使われることに黙っていられません。

地方自治法242条により、地方自治体の住民は自治体の違法・不当な公金の支出について、監査委員にその防止や是正を求め、監査請求をすることができます。

私たちの訴えに多数の弁護士が応え、請求人の代理人になってくれました。東京都民が、警視庁機動隊による高江住民弾圧を許さないことを沖縄のみなさんにも示すため、監査請求をおこないます。

10月中旬に東京都に
住民監査請求記者会見を予定しています。

詳細が決まり次第、当ブログ等にてお知らせします。
よろしくお願いします。

住民監査請求書 見本

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2016年9月26日

警視庁機動隊の沖縄への派遣中止を求める住民監査請求実行委員会

連絡先:juminkansaseikyu[at]gmail.com
([at]の部分を@に書き換えてメール送信してください)